
伝統のある法律相談所
法律相談所(学類内では略して、法相(ほうそう)と呼ばれています)は、所員である法学部・法学類の学生が顧問の法学類教員の協力のもとに、一般市民からの無料法律相談に応じることを活動の中心とする法学類公認サークルです。
法相は、金沢大学の開学から数年を待たずして創設され、すでに50年以上を数える、金沢大学でも有数の伝統を誇っています。そして、この間に受けた相談の総数は、優に1万件をこえ、法律専門家(弁護士)の数が必ずしも多くない北陸地域において、民事紛争の法的解決をサポートするのに大きな貢献をしてきたと自負しています。現在、毎週土曜日の午後に石川四高記念館で相談を受けているほか、春と秋の年2回、福井市、小松市、能美市、宝達志水町、小矢部市への出張法律相談を、夏期休業期間中に、羽咋市、穴水町、輪島市、珠洲市への巡回法律相談を実施しています。
実際に世の中で起こった「なま」のできごとで学ぶ
相談活動は、学生が3人1組となり、(1)相談に来られた方からお話をうかがう、(2)うかがったお話の要点と回答案を顧問教員に確認、(3)回答を提示、という流れで行われています。このような活動は、学生同士のおしゃべりとは異なる一般の方のお話を、要点を押さえて聴き取る練習、そして、六法や教科書の中だけの存在だった法律を、実際に世の中で起こった「なま」のできごとに適用して解決策を導く練習の場となっています。このようにして、自分たちとは違う立場の他人の話を聴いて正確に理解する、それを前提にして自分たちの見解を説明するという、社会生活を送るうえでは必須のスキルを身につける機会になるとともに、法学の専門の学習を単なる机上の学問に終わらせることなく、法が現実にどのように働いているのかを実感することができます。
他人にものを教えるというのは口で言うほど簡単なことではない
さて、相談に来られた方のお話の要点を押さえるには、法律的に重要な情報と、そうでない情報を見分けることができなければなりませんが、どれが法律的に重要な情報なのかは、日ごろから予備知識としてそなえておく必要があります。このように、相談活動を充実したものにするには、相談を受ける学生が日ごろからの勉強が不可欠ですので、法相の所員は毎週2回の勉強会活動にも力を入れています。勉強会活動は、あるテーマについて先輩が後輩に講義をする、あるいは過去の相談事例について、事実関係と回答内容を検討しあう、というスタイルで行われています。他人にものを教えるというのは口で言うほど簡単なことではなく、後輩に間違ったことを教えることのないよう、先輩は日夜、大変な苦労をしていますが、相手に理解してもらえるように話をするという、これまた社会生活を送るうえでは必須のスキルを身につける機会になるとともに、教わる側の後輩はもちろんのこと教える側の先輩自身の法学の理解が進むことになります。

